イ 学校などで行われる省エネで節約できたお金を
当事者に還元するシステムの構築
- 学校などで実施された省エネ活動によって節約できた経費のある割合を、がんばった当事者たちに還元することで、さらに活動の活性化と発展が計られます。戻ってきた経費を、たとえば雨水タンクや太陽光設備、生ごみ処理機の購入など環境関連の予算として使えるようになれば、環境保全と経済は両立することを子どもたちや保護者に伝える事もできるでしょう。学校という、子供たちにとって小さな社会での取り組みは、家庭への波及効果だけに留まらず将来的にみて計り知れない効果が期待できます。
ウ 持続可能性教育をになう人材の育成
- 現在、学校内の役割分担として、環境担当の位置付けがなく、環境担当者が特定されていないことが、各校の環境に対する取り組みの格差の一因ではないかと思われます。学校の環境担当者設置、先生、事務職の方々にグリーン調達も含めて幅広く持続可能性教育について学べる機会の提供、市民環境アドバイザーの育成などが望まれます。
エ 「新アジェンダ21かながわ」マイアジェンダ学校版
- 1993 年日本で最初にローカルアジェンダを採択した神奈川県は、あらためて具体的な実践行動に結びついたものにするため2003 年、「新アジェンダ21かながわ〜持続可能な社会への道しるべ〜〈新アジェンダ〉」を採択しましたが、市民参加のプロジェクトで「新アジェンダ21かながわ」こども版“想像してごらん2033 年”を制作しました。
自分たちのまちの望ましい将来像を描き,その実現のためにどう行動するかを考える子どもたちのマイアジェンダ活動が、学校や地域で展開されていくことが望まれます。
オ ソーラーパネルセットの貸し出し制度
- 市あるいは事業者団体が一定期間、市民や学校にセットを貸し出すなど、創エネルギー体験ができる制度が要望されています。
カ 学校施設における太陽光発電装置、マイクロ風車などの設置
- このような装置がある学校では、理科、社会、家庭科、総合学習、科学系クラブ活動などで教材として様々に利用されており、子どもたちの変化として、節電やリサイクル運動の取り組みが向上、環境問題への関心の高まり、天気や季節による発電量の違いの実感からエネルギーの有効利用についての考察の深化などが報告されています。
大容量の発電装置と蓄電装置を設置しエネルギーを確保することは、学校が災害避難場所である場合ことさら重要ですが、川越市では大きな予算を1 校に投入するのではなく、全校に配分し補助金を利用して、すべての公立小.中学校に3KWの太陽光発電装置を設置しています。設置方式は市民共同発電所スタイルも考えられます。
自然エネルギーのひとつであるバイオマスの利用体験ができるように、剪定枝や落ち葉などを使ってピザやパンが焼ける石釜の適所での設置も望まれます。
キ 出前環境教育ソーラーカーの製作
- 資金だけでなく運営管理する人や場所の課題が大きいですが、自然エネルギーや省エネルギーについて実験的、体験的に学べる機器やキット、情報ツールなどを搭載した出前環境教育ソーラーカーがあれば、学校の授業や総合学習、地域でのイベントなどに出張して普及啓発活動ができます。かなりの経費が掛かりますが、市民や事業者が技術や材料,時間を提供することで、低予算の手づくりプロジェクトで作ることも可能かもしれません。