我が家が「太陽光発電所」になって、今年の4月で4年になります。
太陽光発をしようと考えたそもそものきっかけは、16年前世界中に深刻な被害を及ぼしたあのチェルノブイリ原子力発電所の大事故です。「核の平和利用」「クリーンなエネルギー」といわれる原子力発電は、「平和」でも「クリーン」でもない恐ろしく危険な代物だということが分かり、「原発の電気は悪魔の電気だ!」と思いました。その当時、日本の原発責任者は日本の原発の安全性を強調し、「原発に反対するなら、電気を使うな」などとメチャクチャな事を公言していたのですが、私は「危険な原子力発電、何千年も管理しなければならない核廃棄物という大きな『負の遺産』を子孫に残してしまう原子力発電は、やめなければいけない。どうにかして原発を減らしていく取り組みをしなくては。そのためには、自分のできることから始めるしかない」と思ったのでした。
「自分に出来ること」は、どんなことがあるか。すぐに出来るのは「節電」ですが、これだけではたかが知れているし、消極的すぎます。もっと積極的に、自分で使う電気を自分で作ることに取り組めないか。そこで「太陽光発電」を知ったのです。ところが調べてみると、これは非常にカネがかかることがわかりました。16年前で、ナント給料の2〜3年分です。いくら原発を減らしたいと強く願ってはいても、そんなカネを出せるほどの余裕はなく、あきらめるしかありませんでした。
5年前に家を建てかえました。その時再び調べてみると、太陽電池パネルの価格がずいぶん下がってきていて、普通の住宅用が300万ほどで、国の補助金制度もあることがわかり、「建てかえで、今はその資金がないけれど、これなら近いうちに何とか出来そうだ」と、“太陽光発電所開設計画”をスタートさせたのでした。いくつかのメーカーからパンフレットや資料を取り寄せたり、説明を聞いたりしましたが、そんな中で「国の補助金が今後減らされそうだ」という話を聞き、「有り金をはたいて思い切って太陽電池パネルを設置しよう」と決心したのでした。こうして念願の太陽光発電を開始したのは、1999年4月20日午前10時。その日は晴れて、発電には絶好の日和となり、初めて「自前の電気」が使えるようになったのでした。
さて設置費用です。できるだけ多く電気を作りたいという思いがあり、屋根が西向き(東半分は屋上で屋根がない)で発電する条件としてはあまり良くないこともあって、普通の住宅用よりも少し大きな太陽電池パネル(4kw型)にしたため、設置費用は450万円ほどもかかってしまいました。しかし、その3分の1を国からの補助金(財団法人・新エネルギー財団)でまかなうことができて、実際にかかったのは310万円です。正直なところ、これは高すぎると思いましたが、「車1台分と同じだと考えれば、それで発電できて、地球温暖化防止にも役立つんだから、高くない」とある人から言われて、納得しました。
それから、3つのメーター(発電量・売電量・買電量)を見て記録するのが毎日の私の仕事になっています。これを毎日忘れずにやるのは結構大変ですが、晴れた日に味わえる幸福感は倍増しました。わが「武田太陽光発電所」で発電した電気は2003年1月末で 16,757kwhとなりました。当初、「日本の電力は4割近くを原子力に頼っているのだから、せめて自宅の電気の4割以上を発電したいものだ」と願っていたのですが、発電量は使用電気量の8割程度にもなりました。2000年6月からは、設置費用を少しでも早く取り戻そうと、時間帯別契約「おトクなナイト10」に変えています。これで年間2万円ほど電気料金が安くなるという見通しでしたが、実際には3万5千円前後も安くなり、この1年間の電気料金は2千円足らずです。
日々「太陽の恵み」を実感しながら、私がいつも願うことは、ドリカムの歌のように「晴れたらいいね」です。